小さな会社のホームページ639を読み直すと、
WordPressとPHPの版はどうだったか。
2026年10月21日、PHP の開発元が重大な脆弱性を直した版を出しました。では、小さな会社のホームページは、どのくらいが WordPress で作られていて、どんな版で動いているのか。9月の業種別の実態調査で数えた会社のサイトを、トップページだけ読み直しました。
世界のウェブサイトのうち WordPress がどれくらいかという数は、ほかのサイトにもあります。このページに置くのは、IZANA が9月に電話帳と地図の名簿から1社ずつ数えた、小さな会社のサイトの数です。数えたのは「作りの印」と「外に出ている版の数字」だけで、どの会社のサイトが良い・悪いという話はしていません。数え方と、この数で言えないことを先に並べています。
何を、どう数えたのか。
名簿は、IZANA が2026年9月に行った業種別の実態調査のものです。全国10県の電話帳から作った13業種(士業3つを含む)の名簿と、三重・愛知・岐阜の地図から作った10業種の名簿で、自社のホームページがあった会社のアドレスを集め、同じアドレスが2つの名簿にあるものを1つにして665になりました。
読んだのは、トップページを1回だけ
2026年10月23日に、665のトップページを1回ずつ、1秒の間をあけて読みました。管理画面やログインの画面、外から見えない場所は開いていません。誰でもブラウザで開けば見えるところだけです。
| 数えたもの | 印にしたもの |
|---|---|
| WordPress で作られているか | ページの中に、WordPress の部品の置き場所(/wp-content/ か /wp-includes/)が書かれている |
| WordPress の版 | ページに書かれた「WordPress の何番」の印、または WordPress 本体の部品に付いた版の数字 |
| PHP の版 | サーバーの返事の見出しに「PHP の何番」が出ているときだけ |
取れなかったのは26
665のうち、トップページが取れたのは639です。取れなかった26の内訳は、サーバーが混み合っている返事(503)が11・つながらないものが11・サーバーの誤り(500)が2・時間切れが1・ページが無い(404)が1でした。このページの割合は、取れた639を分母にしています。
WordPress で作られていたのは、いくつか。
取れたサイト
あったサイト
取れた639のうち、WordPress の印があったのは266(41.6%)でした。残りの373は、WordPress の印が見つからなかったサイトです。どんな作りかは、このページの数え方では分けていません。
名簿ごとの内訳は、全国10県の電話帳から作った名簿(13業種)で489のうち200、三重・愛知・岐阜の地図から作った名簿(10業種)で150のうち66でした。2つの名簿は作り方が違う(電話帳の分類から作ったものと、地図の検索から作ったもの)ので、地域の差として比べないでください。業種ごとの数は、業種によって分母が9〜57と小さく、1社で数ポイント動くため載せていません。
WordPress の版は、どのくらい新しいのか。
WordPress の印があった266のうち、版の数字が読めたのは175です(ページに書かれた版の印か、WordPress 本体の部品に付いた版の数字)。読めなかった91は数えていません。
| 読めた WordPress の版 | サイトの数 |
|---|---|
| 7.1系(2026年10月23日の時点の最新の系統) | 85 |
| 7.0系 | 5 |
| 6.x | 48 |
| 5.x 以前(4.9 が13 ほか) | 37 |
| 計(版が読めたサイト) | 175 |
※ 最新の系統=WordPress.org の版の案内で、2026年10月23日に配られている最新の版が 7.1.3 であることを確かめました(Section 06)。
版が読めた175のうち、最新の系統の 7.1系は85で、残りの90は 7.0系以前でした。WordPress 日本語のお知らせ(WordPress 7.0.3リリース・2026年8月7日)は、セキュリティの修正について「これらの修正は、必要に応じて、セキュリティ修正の適用対象となるすべてのブランチ (現在は4.7まで) に任意の対応としてバックポートされています。」と書き、続けて「念のため申し上げますが、公式にサポートされているのは WordPress の最新バージョンのみです。」と書いています。古い系統にも修正が戻されることはありますが、公式に支えられているのは最新の版だけ、というのが原文から読める範囲です。
PHP の版は、どこまで分かるのか。
PHP は、WordPress などのホームページを動かしているサーバーの側の仕組みです。サーバーによっては、返事の見出しに PHP の版の数字を出しています。出すか出さないかは、サーバーの設定しだいです。
| 見出しに出ていた PHP の版 | サイトの数 |
|---|---|
| 8.1 以前(7.4 が35・5.6 が8・5.3 が5 ほか) | 62 |
| 8.2 | 8 |
| 8.3 以上 | 32 |
| 計(版が見出しに出ていたサイト) | 102 |
8.1 以前の数字なら、危ないと言えるのか。
言えません。PHP の開発元は 8.1 以前に更新を出していませんが、サーバー会社の中には、古い版にも自社で修正を当てたとお知らせしている会社があります(2026年10月23日に各社のお知らせで確認)。
- エックスサーバー:「弊社が提供する各PHPバージョンに対して、公式の修正版や弊社独自の修正を順次適用しております。」
- ロリポップ!:「公式の修正版が提供されていない古いバージョンのPHPにつきましても、弊社で修正を作成・適用したうえで再開しております。」
一方で、同じ古い版について「お客さまにて緩和策の実施をご検討ください。」と案内している会社もあります(CPI)。また、修正を当てても版の数字は変えない、とお知らせしている会社もあります。見出しの数字だけでは、そのサイトが直っているかは分かりません。各社のお知らせの原文は「PHPの版を上げたら、表示されない。古いWordPressは、直すか作り直すか」の Step 02に並べています。
開発元は、いつまで直すのか。
PHP の開発元は、版ごとに、安全のための修正をいつまで出すかを公開しています。
| PHP の版 | 開発元の安全のための修正 |
|---|---|
| 8.5 | 2029年12月31日まで |
| 8.4 | 2028年12月31日まで |
| 8.3 | 2027年12月31日まで |
| 8.2 | 2026年12月31日まで |
| 8.1 | 2025年12月31日で終了 |
| 8.0 | 2023年11月26日で終了 |
| 7.4 | 2022年11月28日で終了 |
※ 出典=php.net「Supported Versions」の「Security Support Until」の列と「Unsupported Branches」の表(2026年10月23日に確認)。2026年10月21日の Security advisory は「PHP 8.1 and older no longer receive updates from the PHP project.」(PHP 8.1 以前は、PHP プロジェクトからの更新をもう受けません=当サイトの訳)と書いています。
WordPress の側では、2026年10月23日の時点で配られている最新の版は 7.1.3 です(WordPress.org の版の案内で確認)。次の 7.2 は、WordPress 日本語のお知らせで「WordPress 7.2の最終リリース日は 2026年12月8日 を予定しています。」とされています。
この数で、言えないこと。
外に出ている印だけを数えています
WordPress の印も版の数字も、トップページに書かれているものだけです。印を消しているサイトや、別の作りが WordPress の部品を借りているだけのサイトは、数え違えている恐れがあります。
PHP の版は102だけです
Section 04 のとおり、版を出していない537のサイトの PHP は分かりません。102の中の割合を、全体の割合として使わないでください。
直っているかどうかは、数えていません
版の数字は、サーバー会社の独自の修正が当たっているかどうかを示しません(Section 05)。このページの数から、どのサイトが危ないとは言えません。
業種や地域の特徴としては読めません
名簿は9月の業種別の実態調査のもので、業種ごとの分母は小さく、2つの名簿は作り方が違います。業種の比べや、地域の比べには使わないでください。
自分のサイトは、どう確かめるのか。
御社のサイトの PHP の版は、WordPress の管理画面の「ツール」→「サイトヘルス」→「情報」→「サーバー」か、サーバー会社の管理画面で見られます。版の数字の読み方、サーバー会社のお知らせとの見比べ方、版を上げるだけで済むか・直してから上げるか・作り直しを考えるかの見当の付け方は、「PHPの版を上げたら、表示されない。古いWordPressは、直すか作り直すか」にまとめています。
この調査への、よくある質問。
Q1:小さな会社のホームページは、どのくらいが WordPress ですか?
9月の業種別の実態調査の名簿のサイトを2026年10月23日に読み直すと、トップページが取れた639のうち、WordPress の印があったのは266(41.6%)でした。印が書かれているものだけを数えています。
Q2:小さな会社の WordPress は、最新の版になっていますか?
版の数字が読めた175のうち、最新の系統の 7.1系は85で、残りの90は 7.0系以前でした。版が読めなかった91は数えていません。WordPress 日本語のお知らせは、古い系統にも必要に応じて修正を戻すとしたうえで、公式にサポートされているのは最新の版だけだと書いています。
Q3:古い PHP のまま動いているサイトは、どのくらいありますか?
全体の数は分かりません。PHP の版を外に出していた102のうち62が 8.1 以前の数字でしたが、版を出していない537は数えていません。版を出しているサーバーが古い側に偏っている恐れがあるので、全体の割合とは読まないでください。
Q4:PHP の版が古いと、そのサイトは危ないのですか?
このページの数からは言えません。サーバー会社の中には、古い版にも自社で修正を当てたとお知らせしている会社があり、修正を当てても版の数字を変えない会社もあります。御社のサイトについては、使っているサーバー会社のお知らせで確かめてください。
この数字は引用していただけます。そのときは、出典としてページの名前とURLを添えてください。
書き方の例:出典=IZANA「小さな会社のホームページ639を読み直すと、WordPressとPHPの版はどうだったか」(2026年10月23日・9月の業種別の実態調査の名簿のサイトのトップページを読み直したもの)https://izana-creation.com/proof/chosa-wordpress/
※ WordPress の割合の分母は、トップページが取れた639です。PHP の版の数は、版を外に出していた102だけの数です。
直すか、作り直すか。
線引きから見てほしいとき。
サイトの全ページと、同じ業種のホームページまで並べて、直す順番と、どこからは頼んだほうがいいかの線引きをお返しするのがまるごと診断(¥50,000・税抜)です。制作をご依頼いただいた場合は、この5万円を全額そのまま制作費に充てます。
無料診断は、サイトのアドレスから外から見える4項目を読むもので、サーバーの中の PHP の版は見ません。
関連ページ
- PHPの版を上げたら、表示されない。古いWordPressは、直すか作り直すか — 自分のサイトの確かめ方と、頼む先
- 実証・調べたこと — 業種別の実態調査の一覧
- WordPressとHTMLサイト、どっちがいい?事業主向けにわかりやすく解説 — どちらで作るかの比べ方
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