ホームページのご相談
LINE メール
Answer

2024年11月1日に、特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス法・令和5年法律第25号)が施行されました。ホームページの制作のように、事業者が別の事業者に仕事を頼むとき、相手が従業員を使わない個人などであれば、頼む側に次のことが求められています。

  1. 頼んだら直ちに、取引の条件を書面かメールなどで示す(第3条)。示す項目は、国のQ&Aで8つに整理されています
  2. 従業員を使う発注者は、報酬の支払期日を、受け取った日から60日以内のできる限り短い期間に決める(第4条)

自社と相手がこの法律のどの言葉に当たるかは、当サイトでは判断しません。ここに置くのは、条文と国の説明の原文、そして自分で確かめる順番までです。

作る前に、何ページで頼むのがいいかを聞いてみたいとき。
相談する

どんな頼み方が、この法律の話になるのか

法の第2条は、仕事を受ける側の「特定受託事業者」を次のように定めています(条文のまま)。

第2条第1項

この法律において「特定受託事業者」とは、業務委託の相手方である事業者であって、次の各号のいずれかに該当するものをいう。
一 個人であって、従業員を使用しないもの
二 法人であって、一の代表者以外に他の役員(略)がなく、かつ、従業員を使用しないもの

「業務委託」には、事業者がその事業のために他の事業者に情報成果物の作成を委託することが入り、情報成果物には「文字、図形若しくは記号若しくはこれらの結合又はこれらと色彩との結合により構成されるもの」や「プログラム」が挙がっています(第2条第3項・第4項)。

「従業員」について、公正取引委員会のリーフレットは「週労働20時間以上かつ31日以上の雇用が見込まれる者」と説明しています。また、消費者からの依頼(同じリーフレットの例では、消費者が家族写真の撮影を頼む場合)は、この法律の対象外として描かれています。

頼む前に、自分で確かめる順番

  1. 相手に、従業員がいるかを聞く

    使う画面:相手とやり取りしているメールやチャット

    国のQ&A(Q7)は、業務委託をする時点で相手の従業員の有無を確かめるとし、「口頭によることも可能ですが」「記録が残る方法で確認することが望まれます」として、電子メールやSNSのメッセージ機能を例に挙げています。

    ▸ 返事が文字で残った → 上の第2条第1項の文言と見比べる材料になります
    ▸ 電話で聞いただけ → 同じことをメールかチャットで聞き直しておくと、あとで見返せます
  2. 頼む中身が、何を作ってもらう仕事かを書き出す

    使う画面:見積書・依頼の文面

    ページの文章・画像・デザイン・プログラムなど、作ってもらうものを1行ずつ書き出します。第2条第4項の「情報成果物」の各号と見比べるためです。

    ▸ 書き出せた → 次の「何を示せばいいのか」の表で、示す項目がそろっているかを見ます
    ▸ 何を作ってもらうか決まっていない → 第3条第1項ただし書は、内容が定められないことに正当な理由がある事項は、定まったあと直ちに示すとしています
  3. 自社に、従業員や他の役員がいるかを書き出す

    使う資料:自社の登記・雇用の状況

    第4条(支払期日の60日)は、頼む側のうち「特定業務委託事業者」に向けた決まりです。その定義は第2条第6項にあります(下の「頼む側の会社の形で、何が変わるのか」に原文を置きました)。

    ▸ 自社がどちらの言葉に当たるかは、ご自身で条文と見比べるか、国の相談窓口に確かめてください。当サイトは当てはめをしません
制作を頼むときに、見積書と契約書で何を見ればよいかは、契約の前に確認する5つ(権利・名義・解約・リース・修正)にもまとめています。
契約の前の5つを見る

頼んだときに、何を示せばいいのか

法の第3条第1項は、業務委託をした場合は「直ちに」、給付の内容・報酬の額・支払期日その他の事項を、「書面又は電磁的方法」により示さなければならない、としています。示す項目は、公正取引委員会の規則(令和6年公正取引委員会規則第3号)の第1条に並んでいて、国のQ&A(Q35)は次の8つに整理しています。

国のQ&A(Q35)の項目ホームページ制作で書く場所の例
① 業務委託事業者及び特定受託事業者の名称依頼の文面・見積書の宛名と、相手の屋号や氏名
② 業務委託をした日依頼のメールを送った日・発注の返事をした日
③ 給付・役務の内容作ってもらうページ・文章・画像・機能の一覧(見積書の内訳)
④ 給付・役務提供の期日納品(公開)の期日
⑤ 給付・役務提供の場所どこに納めてもらうか(サーバーへの設置・データの受け渡し先など)
⑥ 報酬の額及び支払期日金額と、いつ払うか(分けて払うなら、それぞれ)
⑦ (検査をする場合は)検査完了日公開した内容を確かめ終える日
⑧ (現金以外の方法で支払う場合)支払方法に関すること手形・電子記録債権など、規則第1条第8号〜第11号に当たる払い方をする場合

※ 左の列は国のQ&A(Q35)の文言のまま。右の列は当サイトが書いた「書く場所の例」で、条文の言葉ではありません。規則第1条第1項は、このほかに、明示しない事項(未定事項)がある場合の「内容が定められない理由」と「定めることとなる予定期日」も挙げています(第12号)。

メールやチャットで示してもいいのか

国のQ&A(Q41)は、電磁的方法の例として「電子メール、チャットツール、SMSを用いて送信する方法」を挙げ、「SNS、ウェブサイト、アプリケーション等のメッセージ機能を用いて送信する場合も同様です」としています。また、「明示事項の掲載されたウェブページのURLをメッセージ上に記載する方法も認められます」とも書いています。

同じQ41は、クラウドサービス等ではメッセージが消えたり閲覧できなくなったりする可能性があるため、頼む側・受ける側の双方で、スクリーンショット等で発注内容を保存することが望まれるとしています。

自分の依頼が、8つをそろえているかを見る

  1. 送った依頼の文面と見積書を、1つの画面に並べる

    使う画面:依頼したメール(またはチャット)と、受け取った見積書

    上の表の①〜⑦を、上から1つずつ探します。⑧は現金以外の方法で払う場合だけです。

    ▸ 7つとも見つかった → 示した記録として、メールと見積書を保存しておきます
    ▸ 見つからない項目がある → その項目を書いたメールを、改めて送っておくと記録が残ります
    ▸ ⑥の支払期日が「別途相談」のまま → 次の「報酬は、いつまでに払えばいいのか」の決まりと見比べます

報酬は、いつまでに払えばいいのか

第4条第1項は、特定業務委託事業者が業務委託をした場合の支払期日について、給付を受領した日から「起算して六十日の期間内において、かつ、できる限り短い期間内において、定められなければならない」としています。検査をするかどうかは問いません(同項)。

第4条第2項は、支払期日を定めなかったときは給付を受領した日が、60日を超えて定めたときは受領した日から60日を経過する日が、それぞれ支払期日と定められたものとみなす、としています。

なお、ほかの事業者から受けた仕事をフリーランスに再委託する場合については、第4条第3項に別の決まり(元委託支払期日から起算して三十日の期間内)があります。この記事では扱っていません。

月末締め・翌月末払いはどうなるのか

国のQ&A(Q48)は、月単位の締切制度では61日目や62日目の支払いになる場合があるとしたうえで、「給付を受領した日から60日以内との規定を、給付を受領した日から2か月以内として運用するため、本法上問題としません」と答えています。

60日まで遅らせてもいいのか

国のQ&A(Q49)は、継続して頼んでいる相手について、60日以内と定めていることだけを理由に、それまでより遅い支払期日を新しく設定することは「できる限り短い期間内」に定めたものとはいえず、本法上問題となる、と答えています。

頼む側の会社の形で、何が変わるのか

法は、頼む側を2つの言葉で分けています。第3条(示すこと)は「業務委託事業者」、第4条(支払期日)は「特定業務委託事業者」に向けた決まりです。

法の言葉条文の定義向けられている決まり(この記事で扱ったもの)
業務委託事業者特定受託事業者に業務委託をする事業者(第2条第5項)第3条=取引の条件を示す
特定業務委託事業者業務委託事業者であって、一 個人であって、従業員を使用するもの/二 法人であって、二以上の役員があり、又は従業員を使用するもの(第2条第6項)第3条に加えて、第4条=支払期日を60日以内で定める

※ 第5条以降には、特定業務委託事業者がしてはならない行為(受領の拒否・報酬の減額など)や、募集・就業環境に関する決まりもあります。この記事では扱っていません。原文は e-Gov 法令検索で読めます(下の「出どころ」)。

自分でできること

記録を残す・文面をそろえる

  • 相手の従業員の有無を、メールやチャットで聞いて残す
  • 依頼の文面に、国のQ&A(Q35)の項目を並べて送る
  • 支払期日を、受け取った日から数えて決めて書く
  • やり取りを、スクリーンショットなどで保存する

専門の窓口に聞くこと

当てはめは、当サイトではしません

  • 自社や相手が、法のどの言葉に当たるか
  • すでに結んだ契約が、この法律に合っているか
  • 相手とのあいだで支払いや取消しをめぐって揉めているとき

IZANAに頼む場合、どこに何が書いてあるのか

当方に頼む場合に、上の表の項目に近い事柄がどこに書いてあるかを並べます。受け取る側の書類の例として置くもので、示す決まり(第3条)は頼む側に向けられています。当方がこの法律のどの言葉に当たるかを示す表ではありません。

表の項目当方の書類で書いている所
② 頼んだ日利用規約第2条=契約は、見積書・仕様書に同意して契約書に署名した時点か、メール・LINE等の発注の意思表示に当方が承諾の返信をした時点で成立
③ 内容制作の流れ=プランと内訳まで書いた見積書をご提示します
④ 期日特定商取引法に基づく表記=納期(プランごとの最短の目安)・正確な日は見積書で
⑤ 場所利用規約第4条=当方が運用するサーバーへの設置・公開
⑥ 金額・支払期日利用規約第3条=料金は見積書に記載の通り/着手金50%は契約締結後・制作開始前まで、残金50%は公開確認後・請求書発行から2週間以内(銀行振込)
⑦ 検査完了日利用規約第4条=公開内容を確認して「確認済」の連絡をいただいた時点で検収完了。7日以内に異議のご連絡がない場合は検収完了とみなします

※ 金額は料金ページが正本です。サイトは買い切りで、公開したあとに検索で見つけてもらえるように育てる仕事は、制作とは別の仕事で、別に費用がかかります。

About this article

この記事を書いた人

IZANA WEB制作(三重県桑名市・全国オンライン対応)。小さな会社と個人事業の方に向けて、サイトは買い切りのホームページを作っています。

この記事の書き方について、次のように決めています。

お気づきの点はお問い合わせからお知らせください。

よくある質問

フリーランスに、電話や打ち合わせの口頭だけで頼んでもいいですか?

法の第3条第1項は、頼んだときに取引の条件を「書面又は電磁的方法により」示すよう求めています。国のQ&A(Q41)は、電磁的方法の例として、電子メール・チャットツール・SMS・SNSのメッセージで送る方法を挙げています。自社の頼み方がこれに当たるかは、当サイトでは判断しません。

月末締め・翌月末払いだと、60日を超える月があります。問題になりますか?

国のQ&A(Q48)は、月単位の締切制度では61日目や62日目の支払いになる場合があるとしたうえで、「給付を受領した日から60日以内との規定を、給付を受領した日から2か月以内として運用するため、本法上問題としません」と答えています。

相手に従業員がいるかどうかは、どう確かめればいいですか?

国のQ&A(Q7)は、業務委託をする時点で確かめるとしたうえで、口頭でもよいが、トラブル防止の観点から記録が残る方法で確認することが望まれる、として電子メールやSNSのメッセージ機能を例に挙げています。

今まで納品後すぐ払っていた相手に、法律を理由に60日後払いへ変えてもいいですか?

国のQ&A(Q49)は、継続して頼んでいる相手について、60日以内と定めていることだけを理由に、それまでより遅い支払期日を新しく設定することは「できる限り短い期間内」に定めたものとはいえず、本法上問題となる、と答えています。

出どころ(2026年10月8日に原文を確認)

頼む前に、見積書の項目から確かめたいときは。

当方に頼む場合の見積書・契約・お支払いの順番は、制作の流れに期間とあわせて書いています。ご相談・お見積もりは無料です。