ホームページのアクセシビリティは、
小さな会社にも義務なのか。
先に書きます。2024年4月1日から義務になったのは、障害者差別解消法の「合理的配慮の提供」です。障害のある人から申し出があったときに、負担が重すぎない範囲で対応することです。
ホームページを前もって使いやすくしておくことは、同じ法律の「環境の整備」の側にあり、条文は「努めなければならない」と書いています。デジタル庁のガイドブックも、ウェブアクセシビリティへの取り組みを「環境の整備として努力義務」と書いています(原文は下に)。
- 条文と、国(内閣府・デジタル庁)の説明の原文(2026年10月8日に確認)
- 費用をかけずに自分で確かめられる4つ
- 申し出を受け取る入口(電話だけになっていないか)
あなたの事業が何をどこまでしなければならないかは、当サイトでは判断しません。相談先は最後にまとめています。
2024年4月に、何が変わったのか(原文)
ここは、条文と国の説明を原文のまま置きます。言い換えると意味が動くためです。
「事業者は、その事業を行うに当たり、障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、当該障害者の性別、年齢及び障害の状態に応じて、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をしなければならない。」
「行政機関等及び事業者は、社会的障壁の除去の実施についての必要かつ合理的な配慮を的確に行うため、自ら設置する施設の構造の改善及び設備の整備、関係職員に対する研修その他の必要な環境の整備に努めなければならない。」
「令和3 年に障害者差別解消法が改正され、事業者による障害のある人への合理的配慮の提供が義務化されました。」
表の「合理的配慮の提供」の行=「行政機関等:義務 事業者:努力義務から義務へ変更」
「…不特定多数の障害者を対象として行う事前改善措置のことを「環境の整備」といいます(「環境の整備」は努力義務)。」
※ 出典=障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(平成二十五年法律第六十五号・e-Gov 法令検索)・内閣府リーフレット「令和6年4月1日から合理的配慮の提供が義務化されました」(テキスト版)。いずれも2026年10月8日に確認。条文に「ウェブ」「ホームページ」という言葉はありません(全文で0回)。
ホームページは、「合理的配慮」と「環境の整備」のどちらの話なのか
条文にはホームページの言葉が無いので、国がどう説明しているかを見ます。
「「環境の整備」とは、企業や店舗などの事業者や行政機関等に対して、個別の場面において、個々の障害者に対する合理的配慮が的確に行えるよう、不特定多数の障害者を主な対象として行う事前の改善措置※のことです。」
「※公共施設や交通機関におけるバリアフリー化、意志表示やコミュニケーションを支援するためのサービス・介助者などの人的支援、障害者による円滑な情報の取得・利用・発信のための情報アクセシビリティの向上などが例として挙げられます。」
「2024年4月1日から改正障害者差別解消法が施行され、事業者による障害者への合理的配慮が義務化されます。そして、ウェブアクセシビリティへの取り組みは、合理的配慮を提供するための環境の整備として努力義務が課せられています。」
※ 出典=内閣府ポータルサイト「環境の整備」のページ・デジタル庁「ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック」(PDF・策定日 2025年10月16日)。2026年10月8日に確認。
並べると、2つに分かれます。
| 国の説明の言葉 | ホームページでいうと(当サイトの読み方の例) |
|---|---|
| 環境の整備(努力義務) | 誰が見に来ても読める・使えるように、前もって作っておくこと |
| 合理的配慮の提供(義務) | 「画面が読めないので、内容を教えてほしい」などの申し出があったとき、負担が重すぎない範囲で、別の方法で応じること |
※ 右の列は当サイトが書いた例で、条文や国の文書の言葉ではありません。何が「負担が過重」に当たるか、どう応じれば足りるかは、事業と場面で変わります。
自分のホームページで、何を確かめればいいか
アクセシビリティには JIS の規格(デジタル庁のガイドブックの言葉では「ウェブアクセシビリティの規格であるJIS X 8341-3:2016」)があり、全部を確かめるには専門の手順が要ります。ここでは、道具も費用も使わずに、スマートフォン1台でできる4つだけを置きます。合格・不合格を決めるものではありません。
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文字を大きくしても、読めるか
使うもの:スマートフォンの文字の大きさの設定、または画面を2本の指で広げる文字を大きくした状態で、自社のトップと料金(または会社案内)を開きます。
▸ 大きくしても、文字が重ならず、横にずらさずに読める → この点は前もって整っています
▸ 文字が重なる・切れる・大きくならない → 作りの側の直しになることがあります。Step 05 へ -
電話番号・料金・営業時間が、画像ではなく文字で書いてあるか
使う画面:自社のトップ。電話番号を指で押してみる電話番号を押して発信の画面が出るか、文字を長押しして選べるかを見ます。画像の中に書いた文字は、読み上げの機能が読めないことがあります。
▸ 押すと発信の画面が出る → 番号は文字で置かれています
▸ 押しても何も起きない・選べない → 番号が画像の中にある作りかもしれません。当方が数えた10業種のサイトでは、電話番号を押してそのまま発信できたのは50%〜73%でした(業種別の実態調査) -
色だけで伝えている所がないか
使う画面:自社の問い合わせフォーム・料金表「赤い所が必須」「緑はおすすめ」のように、色だけで意味を伝えている所を探します。
▸ 「必須」「おすすめ」と文字でも書いてある → 色が見分けにくい人にも伝わります
▸ 色だけ → 文字を1語足せば伝わることがあります -
問い合わせフォームの入力欄に、見える名前が付いているか
使う画面:自社の問い合わせフォーム(入力を始める前の状態)入力欄の外に「お名前」「電話番号」などの名前が見えるかを見ます。欄の中にうすく書いてあるだけの名前は、入力を始めると消えます。
▸ 欄の外に名前がある → 入力の途中でも、何の欄か分かります
▸ 欄の中のうすい字だけ → 入力の途中で何の欄か分からなくなることがあります
スマートフォンだけでは確かめにくいものに、写真や図の説明の文があります。デジタル庁「ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック」は、優先して対応してほしい項目(印は「必須」)の1つに「ロゴ・写真・イラストなどの画像が指し示している情報を代替テキストとして付与する」を挙げ、代替テキストを「写真やイラスト、グラフなど主に画像で提供される情報と『同等の役割を果たすテキスト』のことです。」と書いています(2026年10月20日 に確認)。この説明の文は画面には出ないので、付いているかは作った会社に聞くのが早いです(Step 05)。
当方も2026年9月に、自社のサイトのうちトップ・料金・無料診断など23ページで、画像に付けた説明の文(17個)と見出しの順番を全数で点検し、見出しの順番が飛んでいた4ページを直しました。点検してみると、作った側でも見落としがあります。
申し出を受け取る入口は、電話だけになっていないか
第8条第2項の合理的配慮は、「意思の表明があった場合」の話です。申し出を受け取る入口が電話だけだと、電話で話すのが難しい人は申し出られません。内閣府のリーフレットは、合理的配慮には対話が重要だとしています(「「合理的配慮」には対話が重要です!」)。
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電話以外の入口が、同じ場所に並んでいるか
使う画面:自社のトップと会社案内の連絡先の欄電話番号のそばに、メールアドレス・問い合わせフォーム・LINE などの文字で送れる入口があるかを見ます。
▸ 文字で送れる入口が1つ以上ある → 申し出の入口は、電話以外にもあります
▸ 電話だけ → 文字で受け取れる入口を1つ足すと、申し出を受け取りやすくなります。入口の並べ方はホームページに電話番号を載せると、営業の電話は増えるのかの「3. 電話以外の入口を、同じ場所に並べる」に書いています
どこから先は、誰に相談すればいいか
自分で進められる
見る・書き足す
- Step 03 の4つを、スマートフォンで確かめる
- 色だけの所に、文字を1語足す
- 電話以外の入口を、連絡先の欄に並べる
- 申し出があったときに、誰が受けて返事をするかを決めておく
専門の相手に聞く
作りの直しと、判断
- 文字を大きくすると崩れる・番号が画像の中にある(制作会社)
- 写真や図に、説明の文(代替テキスト)が付いているか(制作会社)
- JIS の規格への適合を試験する(専門の試験の手順が要ります)
- 申し出への応じ方が足りているかの判断(国の相談窓口・弁護士)
内閣府は、障害者差別解消法の相談を適切な窓口に取り次ぐ「つなぐ窓口」を設けています(障害者の差別解消に向けた理解促進ポータルサイトのお知らせ)。自社の当てはめを詰めるときは、お取引のある弁護士にご相談ください。
IZANAなら何をして、いくらか
先に書きます。当方は、JIS の規格に適合しているかの試験と、法律に当たるかの判断はいたしません。無料診断で読むのは問い合わせへの動線を含む4項目で、アクセシビリティの全項目の点検ではありません。サイトの作り直しや直しのご相談では、Step 03 の4つのような作りの側の直しも、やる前にお見積もりします(料金ページの「足りないものを足す」と同じ扱いです)。
| 頼めること | やること | 費用(税抜) |
|---|---|---|
| 無料診断 | サイトのアドレスから4項目(問い合わせへの動線・伝わり方・プロ感・検索とGoogleマップでの見つかり方)を読み、まず直すところ3つをPDFでお返しします | 0円 |
| 1枚のページ | 1ページで伝え切る形 | 30万円〜 |
| 最大5ページ構成 | 会社概要・問い合わせを分けて置ける形 | 50万円〜 |
| 最大10ページ構成 | 仕事の種類ごとのページまで分けて載せる形 | 80万円〜 |
※ サイトは買い切りです(月額の制作費はいただきません)。サーバーとドメインの実費は別途かかります。公開したあと、検索で見つけてもらえるように育てる作業は、制作とは別の仕事で、別に費用がかかります(保つ・育てる/読み物は公開したあと、育てる)。最新の条件は料金ページをご覧ください。
よくある質問
2024年4月から、小さな会社のホームページもアクセシビリティ対応が義務になったのですか?
2024年4月1日から事業者に義務になったのは、障害者差別解消法の「合理的配慮の提供」(第8条第2項)です。ホームページを前もって使いやすくしておくことについて、デジタル庁のガイドブックは「合理的配慮を提供するための環境の整備として努力義務が課せられています」と書いています。あなたの事業が何をどこまでしなければならないかは、当サイトでは判断しません。
「アクセシビリティ対応が義務になったので作り直しが必要です」という営業を受けました。
作り直しが要るかどうかは、当サイトでは判断しません。まず、その「義務」が第8条第2項の合理的配慮のことか、第5条の環境の整備のことかを聞き返してください。国の説明では、合理的配慮の提供は義務、環境の整備は努力義務と書き分けられています。そのうえで、この記事の4つを自分で確かめてから見積もりを比べると、何を直す話なのかが分かりやすくなります。
JIS X 8341-3 に適合させないといけませんか?
この記事で読んだ障害者差別解消法の条文に、JIS X 8341-3 の名前は出てきません。デジタル庁のガイドブックは、JIS X 8341-3:2016 を「ウェブアクセシビリティの規格」と書いています。適合しているかの試験には専門の手順が要り、当方はその試験をいたしません。
障害のある方から「サイトが読めない」と連絡があったら、どうすればいいですか?
第8条第2項は、申し出があったときに、負担が過重でない範囲で必要かつ合理的な配慮をするよう求めています。内閣府のリーフレットは、障害のある人と事業者が対話を通じて対応案を共に検討していくことの大切さを書いています。どう応じれば足りるかは場面で変わるので、迷ったら国の相談窓口や弁護士に確かめてください。当サイトでは当てはめをしません。
スマホで読めるか・入口が分かるかを、
外から見てほしいとき。
ホームページのアドレスを1つ送っていただければ、問い合わせへの動線を含む4項目を読み、まず直すところ3つをPDFでお返しします。毎月5社まで・費用はかかりません。売り込みの電話はいたしません。法律に当たるかどうかの判断と、規格への適合の試験はいたしません。