町工場のホームページに「特許取得」「®」と、
書く前に。
先に書きます。製品紹介の「特許取得」「登録商標」の1行は、特許法・商標法などの虚偽表示の禁止の条に関わります。
- 広告での表示(特許法 第188条 第3号):特許に係る物以外の物を売るためなどに、広告にその物の発明が特許に係る旨を表示し、又はこれと紛らわしい表示をする行為をしてはならない(違反の罰は第198条)。実用新案法・意匠法・商標法にも、虚偽表示の禁止の条があります
- 表示の形(各法の施行規則):特許は「特許」の文字と特許番号、商標は「登録商標」の文字と登録番号、実用新案は「登録新案」、意匠は「登録意匠」の文字と登録番号
- 「®」:特許庁のよくある質問は、日本の商標法に基づく商標登録表示ではないと書いています
- 出願中:特許権は設定の登録で発生します(特許法 第66条)。出願中の表示の形を決めた条は、このページで読んだ4つの法律と施行規則には見当たりません
だから、製品紹介に権利の言葉を書くなら、番号を添え、その番号の今の状態を J-PlatPat(特許情報プラットフォーム)で確かめてから書くと、読む人が確かめられます。御社の表示が虚偽表示に当たるか、権利が今も有効かの判断は、当サイトではしません(弁理士・特許庁の窓口へ)。ここに置くのは、条文の原文と、確かめる手順までです。
自社のサイトに、権利の言葉をどこに書いているか
先に、いまのサイトの言葉を書き出します。直すかどうかは、そのあとで決めます。
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「特許」「実用新案」「意匠」「登録商標」「®」「TM」「出願中」の文字を探す
使う画面:自社のホームページ(トップ・製品紹介・技術紹介・会社概要・沿革)・製品カタログのPDF・Googleマップのビジネスプロフィールの説明見つかった文を、ページごとに1行ずつ書き出します。製品の写真の中の文字や、ロゴの横の「®」も書き出します。
▸ 書き出せた → 次の確かめへ
▸ どこにも無い → 書くときに、Step 07 の書き分けだけ見れば足ります -
書き出した文ごとに、番号が書いてあるかを見る
使うもの:書き出した文の一覧特許番号・登録番号・特許出願番号のような番号が、同じ文か同じページにあるかに印を付けます。
▸ 番号がある → Step 06 で、その番号の今の状態を確かめます
▸ 番号が無い → 社内の書類(特許証・登録証・出願の書類の控え)から番号を探します -
どの製品の、どの権利の話かを書き添える
使うもの:特許証・登録証の控え文ごとに、どの製品(またはどの作り方)についての権利かを書き添えます。特許の番号と、ページに載せている製品が同じものかを見ます。
▸ 全部に書き添えられる → Step 06 へ
▸ どの製品の権利か分からない文がある → 弁理士に確かめる候補です(Step 08)
特許法は、広告に何を書くことを禁じているのか(原文)
「何人も、次に掲げる行為をしてはならない。」
第1号「特許に係る物以外の物又はその物の包装に特許表示又はこれと紛らわしい表示を付する行為」
第3号「特許に係る物以外の物の生産若しくは使用をさせるため、又は譲渡等をするため、広告にその物の発明が特許に係る旨を表示し、又はこれと紛らわしい表示をする行為」
「第百八十八条の規定に違反した者は、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。」
ほかの3つの法律にも、虚偽表示の禁止の条があります。
商標法 第74条 第1号「登録商標以外の商標の使用をする場合において、その商標に商標登録表示又はこれと紛らわしい表示を付する行為」
実用新案法 第52条 第3号「登録実用新案に係る物品以外の物品を製造させ若しくは使用させるため、又は譲渡し若しくは貸し渡すため、広告にその物品が登録実用新案に係る旨を表示し、又はこれと紛らわしい表示をする行為」
※ 出典=特許法(昭和三十四年法律第百二十一号・e-Gov 法令検索 334AC0000000121)・商標法(334AC0000000127)・実用新案法(334AC0000000123)。意匠法 第65条 第3号(334AC0000000125)にも、広告に登録意匠に係る旨を表示する行為の定めがあります。いずれも2026年10月22日に確認。
条文から読めるのは、特許に係る物以外の物について、「広告」に「特許に係る旨」を書くことが、第188条 第3号に名指しされていること、そして本当の表示でなくても「紛らわしい表示」が並べて書かれていること、というところまでです。どんな書き方が「紛らわしい表示」に当たるかを例で示した条はありません。御社の書き方が当たるかは、当サイトでは判断しません。
「特許」「登録商標」の表示の形は、どこで決まっているのか(原文)
正しい表示の形は、法律が「経済産業省令で定めるところにより」と書き、施行規則が決めています。
「特許権者、専用実施権者又は通常実施権者は、経済産業省令で定めるところにより、物の特許発明におけるその物若しくは物を生産する方法の特許発明におけるその方法により生産した物(以下「特許に係る物」という。)又はその物の包装にその物又は方法の発明が特許に係る旨の表示(以下「特許表示」という。)を附するように努めなければならない。」
| 権利 | 施行規則の原文(2026年10月22日に確認) |
|---|---|
| 特許 | 特許法施行規則 第68条「特許法第百八十七条の特許表示は、物の特許発明にあつては「特許」の文字およびその特許番号とし、物を生産する方法の特許発明にあつては「方法特許」の文字およびその特許番号とする。」 |
| 実用新案 | 実用新案法施行規則 第20条「実用新案法第五十一条の実用新案登録表示は、「登録新案」の文字およびその登録番号とする。」 |
| 意匠 | 意匠法施行規則 第17条「意匠法第六十四条の意匠登録表示は、「登録意匠」の文字及びその登録番号とする。」 |
| 商標 | 商標法施行規則 第17条「商標法第七十三条の商標登録表示は、「登録商標」の文字及びその登録番号又は国際登録の番号とする。」 |
※ 出典=特許法施行規則(e-Gov 法令検索 335M50000400010)・実用新案法施行規則(335M50000400011)・意匠法施行規則(335M50000400012)・商標法施行規則(335M50000400013)。いずれも2026年10月22日に確認。
条文から読めるのは、表示の形は「文字」と「番号」の組で決まっていること、そして第187条が表示を付けるよう努める先は「特許に係る物」と「その物の包装」で、ウェブサイトは条文に出てこないこと、というところまでです。サイトに番号まで書くかは、この条からは決まりません。
「®」や「TM」は、日本の表示なのか(原文)
ロゴの横に「®」を付けているサイトがあります。特許庁は、よくある質問でこう書いています。
「「Rマーク(®)」は、外国の商標制度においてRegisteredTrademark(登録商標) を意味するもので、日本の商標法に基づく商標登録表示ではありません。」
「「TMマーク」も同様、日本の制度に基づくものではありません。単にTrademark(商標)を意味するもので、未出願の商標や出願中の商標について付されることが多いです。」
「日本における商標登録表示は、『登録商標第〇〇〇〇〇〇〇号』という表示方法です。登録商標を表示する際にはそのように表示することが推奨されます(商標法73条)。」
※ 出典=特許庁「商標制度に関するよくある質問」(ページの更新日 2023年3月31日)。2026年10月22日に確認。
原文から読めるのは、日本の商標登録表示は「登録商標」の文字と番号の形で、「®」はそれではないこと、というところまでです。登録していない商標に「®」を付けることが第74条の「紛らわしい表示」に当たるかは、特許庁のこの答えにも条文にも書かれていません。当サイトでは判断しません。
「出願中」とは、どの段階のことか(原文)
このページでは、特許庁に出願したあと、まだ特許権の設定の登録がされていない段階を「出願中」と呼びます。条文と特許庁の案内では、出願から権利までがこう並びます。
第48条の3 第1項「特許出願があつたときは、何人も、その日から三年以内に、特許庁長官にその特許出願について出願審査の請求をすることができる。」
同条 第4項「第一項の規定により出願審査の請求をすることができる期間内に出願審査の請求がなかつたときは、この特許出願は、取り下げたものとみなす。」
第64条 第1項「特許庁長官は、特許出願の日から一年六月を経過したときは、特許掲載公報の発行をしたものを除き、その特許出願について出願公開をしなければならない。」
第66条 第1項「特許権は、設定の登録により発生する。」
第67条 第1項「特許権の存続期間は、特許出願の日から二十年をもつて終了する。」
「出願してから3年以内に「出願審査請求書」を特許庁に送付して審査請求を行うと、出願は審査の順番待ちに入ります。」
「原則として出願日から1年6ヶ月経過後、出願内容が一般に公開されます(出願公開)。」
※ 出典=特許法(334AC0000000121)・特許庁「初めてだったらここを読む~特許出願のいろは~」。いずれも2026年10月22日に確認。第67条には第2項以降に延長の定めがあります。
条文から読めるのは、出願しただけでは特許権は発生していないこと(第66条)、審査請求をしないまま3年が過ぎると出願は取り下げたものとみなされること(第48条の3 第4項)、特許権の存続期間は出願の日から20年で終わること(第67条 第1項)、というところまでです。「特許出願中」の書き方の形を決めた条は、このページで読んだ特許法・実用新案法・意匠法・商標法とそれぞれの施行規則には見当たりません(当サイトが読んだ範囲です)。出願が今どの段階にあるかは、次の Step 06 で確かめられます。
番号と今の状態は、J-PlatPat でどう確かめるか
特許庁は、特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)で、特許出願と特許権の状態(リーガルステータス)を出しています。
ステート:「特許出願・特許権の状態。「アクティブ(出願・権利存続中)」又は「非アクティブ」の2つの状態を管理しています。」
ステージ:「特許出願又は特許権の主要な手続段階。以下7つの段階に分類されます。」(「審査請求前」「審査中」「査定不服」「特許 有効」「異議・無効」「(出願の)却下・拒絶」「特許 消滅」)
「リーガルステータスに関する提供内容は、出願日が平成10年1月1日以降の日本国特許庁への特許出願が対象となります。」
「出願の審査状況や権利状況などの経過情報は、各法域の検索結果から照会できます。」
「経過情報は公報に代わるものではありません。」
※ 出典=特許庁「特許情報プラットフォームにて、特許のリーガルステータスを提供します」(ページの更新日 2026年9月24日)・J-PlatPat「経過情報を参照する」。いずれも2026年10月22日に確認。
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Step 01 で書き出した番号を、J-PlatPat で照会する
使う画面:J-PlatPat の「特許・実用新案番号照会」(商標は商標の照会)番号の種類(特許番号・出願番号・登録番号)を選び、番号を入れて照会します。出てきた権利者の名前が自社か、名前が製品と合っているかを見ます。
▸ 自社の権利として出てくる → 次の確かめへ
▸ 出てこない・権利者が違う → 番号の写し間違いか、別の会社の番号です。社内の書類と見比べます -
ステージを見る
見るところ:検索結果か文献の表示に出るステージ・経過情報特許なら、ステージが「特許 有効」か「特許 消滅」か、出願なら「審査請求前」「審査中」か「(出願の)却下・拒絶」かを書き写します。平成10年1月1日より前の出願は、経過情報で見ます。
▸ 「特許 有効」 → Step 07 で、番号を添えた1行にそろえます
▸ 「審査請求前」「審査中」 → Step 07 で、出願中の書き分けを見ます
▸ 「特許 消滅」「(出願の)却下・拒絶」 → 第188条の原文と見比べる候補です。書き方は弁理士に確かめます(Step 08)
製品紹介の1行に、何を書き分けるか
ここからは当サイトの言い換えです。条文が求める形ではなく、読む人が自分で番号を確かめられるようにする書き方の順番です。
- 特許が有効なとき:施行規則の形にそろえ、「特許」の文字と特許番号を並べます。どの製品の、どの部分の特許かを同じ段落に書きます(Step 03)
- 出願中のとき:「特許取得」とは書かず、出願中であることを書きます。出願番号を添えるかは、社内で決めます。ステージが変わったら書き直す日を、社内の予定に入れておきます(Step 05・06)
- 商標のとき:日本で登録している商標なら、特許庁が書いている『登録商標第〇〇〇〇〇〇〇号』の形があります。「®」は日本の商標登録表示ではない、と特許庁は書いています(Step 04)
- カタログのPDFと写真の中の文字:サイトの本文を直しても、PDF や写真の中の「特許」「®」は残ります。Step 01 の一覧に入れて、同じ日に見直します
どれも、御社の今の書き方が虚偽表示に当たるかどうかを決めるものではありません。当たるかは、当サイトでは判断しません。
どこから先は頼んだほうがいいか
| 自分でやる | 聞いたほうがいい |
|---|---|
| サイト・カタログ・ビジネスプロフィールの権利の言葉を書き出す(Step 01) | どの製品が特許の範囲に入るか・書き方が虚偽表示に当たるか(弁理士) |
| 番号を J-PlatPat で照会し、ステージを書き写す(Step 06) | 権利の期限・登録の手続き(特許庁の窓口・知財総合支援窓口) |
| 製品紹介の1行を、番号を添えた形にそろえる(Step 07) | 製品紹介・技術紹介・問い合わせの順を、取引先が読む順に組み直す(制作会社) |
※ 知財総合支援窓口は、特許庁の「商標制度に関するよくある質問」が相談窓口として挙げています。
IZANAなら何をして、いくらか
先に書きます。御社の表示が特許法・商標法に当たるかの判断や、権利の調べもの・手続きは、当方ではいたしません。お問い合わせが増えるといったお約束もしません。
| 頼めること | やること | 費用(税抜) |
|---|---|---|
| 無料診断 | サイトのアドレスから4項目(問い合わせへの動線・伝わり方・プロ感・検索とGoogleマップでの見つかり方)を読み、まず直すところ3つをPDFでお返しします | 0円 |
| 1枚のページ | 1ページで伝え切る形 | 30万円〜 |
| 最大5ページ構成 | 会社の紹介・加工内容・設備・問い合わせを分けて置ける形 | 50万円〜 |
| 最大10ページ構成 | 製品や加工の種類ごとのページまで分けて載せる形 | 80万円〜 |
※ 金額は料金ページが正本です。サイトは買い切りです(月額の制作費はいただきません)。サーバーとドメインの実費は別途かかります。
よくある質問
「特許出願中」と書いてもいいですか?
当サイトでは判断しません。特許法 第188条 第3号は、特許に係る物以外の物について、広告に特許に係る旨を表示し、又はこれと紛らわしい表示をする行為を禁じています。特許権は設定の登録により発生します(第66条 第1項)。「特許出願中」の書き方の形を決めた条は、このページで読んだ特許法・実用新案法・意匠法・商標法とそれぞれの施行規則には見当たりません(当サイトが読んだ範囲です)。
「特許出願中」のマークには、決まった形がありますか?
施行規則が形を決めているのは、登録されたあとの表示です。特許法施行規則 第68条は、特許表示を「特許」の文字とその特許番号(方法の特許は「方法特許」の文字とその特許番号)としています。出願中の印の形を決めた条は、このページで読んだ4つの法律と施行規則には見当たりません(当サイトが読んだ範囲です)。
「出願中」とは、どういう状態ですか?
特許庁に出願したあと、まだ特許権の設定の登録がされていない段階です(このページの呼び方です)。特許法 第48条の3 は、出願の日から3年以内に出願審査の請求ができ、その期間内に請求がなければ出願は取り下げたものとみなすと書いています。第64条は、出願の日から1年6月を経過したときに出願公開をすると書いています。
出願日は、どこで調べられますか?
自社の出願なら、出願のときの書類の控えで確かめられます。出願公開や特許の登録のあとは、特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)で番号を照会し、経過情報を開くと出願の審査状況や権利状況が見られます。J-PlatPat の使い方のページは「経過情報は公報に代わるものではありません。」と書いています。
登録していない商標に「®」を付けてもいいですか?
当サイトでは判断しません。特許庁の「商標制度に関するよくある質問」は、「Rマーク(®)」は外国の商標制度で登録商標を意味するもので、日本の商標法に基づく商標登録表示ではないと書いています。商標法 第74条 第1号は、登録商標以外の商標に商標登録表示又はこれと紛らわしい表示を付する行為を禁じています。
特許の期限が切れた製品を、「特許取得」のまま載せていてもいいですか?
当サイトでは判断しません。特許法 第67条 第1項は、特許権の存続期間は特許出願の日から20年をもって終了すると書いています(第2項以降に延長の定めがあります)。J-PlatPat では、特許のステージが「特許 有効」か「特許 消滅」かを見られます。書き方は弁理士にお確かめください。
ホームページにも特許番号を書かないといけませんか?
特許法 第187条は、特許表示を「特許に係る物」又は「その物の包装」に付するよう努めなければならないと書いていて、ウェブサイトは条文に出てきません。サイトに番号まで書くかは、この条からは決まりません。番号を添えると、読む人が J-PlatPat で確かめられます(当サイトの言い換えです)。
製品紹介が取引先に伝わっているかを、
外から見てほしいとき。
ホームページのアドレスを1つ送っていただければ、伝わり方を含む4項目を読み、まず直すところ3つをPDFでお返しします。毎月5社まで・費用はかかりません。売り込みの電話はいたしません。