「お隣に越境した枝の剪定も承ります」と書くとき、
何を確かめて載せるか。
先に書きます。隣の木の枝が境界を越えているとき、民法は、枝を切るのは原則として木の持ち主としています(第233条第1項)。越境された土地の持ち主が自分で切り取れるのは、第3項の3つの場合です。
- 依頼者は誰か:木の持ち主からの依頼か、越境された土地の持ち主からの依頼か
- 第3項の3つ:催告したのに相当の期間内に切除しないとき・木の持ち主やその所在が分からないとき・急迫の事情があるとき(相当の期間は、法務省の説明で「基本的には2週間程度」)
- 隣の土地に入るとき:あらかじめ目的・日時・場所・方法を知らせる決まりがある(第209条第3項)
依頼がどの場合に当たるか、費用を誰に請求できるかは、このページは決めません。並べているのは、民法と法務省の説明の原文と、造園の会社33社のサイトを当方が読み直した数です。
自社のページで、越境した枝の依頼はどう書いてあるか
剪定の案内・料金のページ・よくある質問を開き、「越境」「はみ出し」「お隣」「隣地」が出てくる所を拾います。見るのは次の3つです。
-
誰からの依頼を受けるのかが書いてあるか
見るところ:剪定の案内・よくある質問『お隣の木の枝もお任せください』のように、木の持ち主からの依頼か、越境された側からの依頼かを分けずに書いていないかを見ます。
▸ 分けて書いている → 次の確かめへ
▸ 分けていない → 依頼する人は、自分が頼んでよいのかを読み取れません -
越境された側から頼まれたとき、先に何を聞くかが書いてあるか
見るところ:作業の流れ・お見積もりの流れ木の持ち主とのやりとり(切ってほしいと伝えたか、いつ伝えたか)や、持ち主が分かるかどうかを、見積もりの前に聞いているなら、それが書いてあるかを見ます。
▸ 書いてある → 次の確かめへ
▸ 書いていない → 実際に聞いていることだけを書き足す候補です -
隣の土地に入るときの段取りが書いてあるか
見るところ:作業の流れ・近隣への配慮枝の持ち主の土地に入って作業することがあるなら、事前にどう知らせているかが書いてあるかを見ます。
▸ 書いてある → そのままで構いません
▸ 書いていない → Step 04 の決まりを見ながら書き足す候補です
越境した枝は、誰が切るものなのか(原文)
「土地の所有者は、隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、その竹木の所有者に、その枝を切除させることができる。」(2026年10月16日に原文を確認)
原則は、木の持ち主に切ってもらうことです。そのうえで、第3項が、越境された土地の持ち主が自分で切り取れる場合を3つ挙げています。
「第一項の場合において、次に掲げるときは、土地の所有者は、その枝を切り取ることができる。」
「一 竹木の所有者に枝を切除するよう催告したにもかかわらず、竹木の所有者が相当の期間内に切除しないとき。」
「二 竹木の所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないとき。」
「三 急迫の事情があるとき。」
根については、第4項が「隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、その根を切り取ることができる。」としていて、枝とは扱いが違います。第2項は、木が何人かの共有のときは、各共有者が枝を切り取れるとしています。
※ 出典=民法(e-Gov 法令検索 129AC0000000089)第233条。2026年10月11日に確認。
法務省は、期間と費用をどう説明しているか(原文)
第3項は、令和5年4月1日に施行された改正で入った決まりです。法務省の説明資料は、第1号の「相当の期間」と、自分で切り取ったときの費用について、次のように書いています。
「①の「相当の期間」とは、枝を切除するために必要な時間的猶予を与える趣旨であり、事案によるが、基本的には2週間程度と考えられる。」
「越境された土地所有者が自ら枝を切り取る場合の費用については、枝が越境して土地所有権を侵害していることや、土地所有者が枝を切り取ることにより竹木の所有者が本来負っている枝の切除義務を免れることを踏まえ、基本的には、竹木の所有者に請求できると考えられる(民法703・709)。」
どちらも「基本的には」「考えられる」という書き方で、個々の事案での結論ではありません。費用の話は、越境された土地の持ち主と木の持ち主の間のことです。剪定を請けた会社が代金を誰から受け取るかは、依頼者との契約で決まります。
※ 出典=法務省「民法の改正(所有者不明土地等関係)の主な改正項目について」(PDF・越境した竹木の枝の切取りの頁)。2026年10月11日に確認。
枝の持ち主の土地に入るとき(原文)
枝を切るために、隣の土地に入らないと作業できないことがあります。同じ改正で、民法第209条が隣地の使用の目的に枝の切取りを加えました。
「土地の所有者は、次に掲げる目的のため必要な範囲内で、隣地を使用することができる。ただし、住家については、その居住者の承諾がなければ、立ち入ることはできない。」
「三 第二百三十三条第三項の規定による枝の切取り」
「第一項の規定により隣地を使用する者は、あらかじめ、その目的、日時、場所及び方法を隣地の所有者及び隣地使用者に通知しなければならない。ただし、あらかじめ通知することが困難なときは、使用を開始した後、遅滞なく、通知することをもって足りる。」
第2項は、使用の日時・場所・方法を、隣地の所有者と隣地を使っている人のために損害が最も少ないものから選ぶよう求めています。どこまで入ってよいかは事案によるので、このページは決めません。
※ 出典=民法 第209条。2026年10月11日に確認。
ホームページには、何を書き分けるか
条文をそのまま載せる必要はありません。頼みたい人が、自分が頼んでよいのか、何を準備すればよいのかを読み取れるように、次の3つを分けて書きます。
- 受ける依頼:木の持ち主からの依頼と、越境された側からの依頼の、どちらを受けているか。両方なら分けて
- 見積もりの前に聞くこと:越境された側からの依頼なら、木の持ち主とのやりとりや、持ち主が分かるかどうかを先に聞いていること(実際に聞いているなら)
- 作業の段取り:隣の土地に入ることがあるなら、事前にどう知らせるか。切った枝をどう処分するか
していないことを「しています」と書かないでください。依頼がどの場合に当たるかを、会社の側で決めたように書くことも避けます。切った枝の処分の書き方は剪定した枝や刈った草の処分を、ホームページにどう書くかに、薬を使う作業の近所への知らせ方は「消毒・害虫駆除も承ります」と書くとき、近所への知らせ方をどう載せるかにまとめています。
同業は、作業の案内をどれくらい書いているか
当方は2026年9月、全国10県の電話帳から造園の会社を選び、1社ずつ検索してサイトの中身を数えました。自社のサイトがあったのは33社です。
| 数えたこと(33社のうち) | 結果 |
|---|---|
| 作業の種類ごとの案内がある(3種類以上) | 3社 |
| 剪定や消毒の時期を書いている(9月25日に読み直し) | 6社(18%) |
※ 出典=造園業のホームページ実態調査(2026年9月)と、造園・外構のホームページ制作の読み直しの数。33社で割っているので、1社で約3ポイント動きます。
① 越境した枝の依頼の受け方を書いている会社の数は数えていません。② 作業の種類の判定は、メニューの名前を10の種類に当てはめたもので、「越境した枝」は種類に入っていません。③ 電話帳に載っていない店は入っていません。
言えるのは、作業ごとの案内を持つ造園の会社は数えた範囲では少なく、越境した枝の受け方を書いている数は分からない、というところまでです。
越境した枝の案内は、どこまで自社で整えられるか
自社でできる
いまの受け方を書き出して、ページとそろえる
- 越境した枝の依頼を、誰から受けているかを書き出す
- 見積もりの前に聞いていることと、作業の段取りを、実際のやり方どおりに書く
- 切った枝の処分の扱いを、剪定の案内と同じ場所に書く
専門家・窓口や制作会社に頼む
当てはめの判断と、ページの組み方
- 依頼が第3項のどれに当たるか、費用を誰に請求できるか(弁護士・市区町村の法律相談など)
- 隣の土地にどこまで入れるか(同上)
- 作業ごとの案内と受け方を、頼む人が読み取れる順に組む(制作会社)
造園のサイトに何を載せると見つけてもらいやすいかは、造園・外構のホームページ制作にまとめています。
IZANAなら何をして、いくらか
先に書きます。当方は、依頼が民法のどの場合に当たるかや、費用の負担の判断はいたしません。御社がいま実際にしている受け方と段取りを伺い、その事実を剪定の案内と同じ場所に書き込むところまでを行います。
| 頼めること | やること | 費用(税抜) |
|---|---|---|
| 無料診断 | サイトのアドレスから4項目(問い合わせへの動線・伝わり方・プロ感・検索とGoogleマップでの見つかり方)を読み、まず直すところ3つをPDFでお返しします | 0円 |
| 1枚のページ | 1ページで伝え切る形。作業ごとに見出しを分けます | 30万円〜 |
| 最大5ページ構成 | 剪定・伐採・外構のように、作業ごとのページを分けて置ける形 | 50万円〜 |
| 最大10ページ構成 | 作業ごとのページに、依頼の受け方や年間の手入れの案内まで分けて載せる形 | 80万円〜 |
※ サイトは買い切りです(月額の制作費はいただきません)。サーバーとドメインの実費は別途かかります。公開したあと、検索で見つけてもらえるように育てる作業は、制作とは別の仕事で、別に費用がかかります(保つ・育てる)。最新の料金は料金ページをご覧ください。
よくある質問
隣の家の人から『越境している枝を切ってほしい』と頼まれたら、受けてもいいですか?
民法第233条は、越境された土地の所有者が自分で枝を切り取れる場合を、催告したのに相当の期間内に切除しないとき・木の所有者やその所在が分からないとき・急迫の事情があるときの3つに限っています。依頼がどれに当たるかは、このページでは決めません。依頼者が誰で、木の持ち主とどんなやりとりをしたかを先に聞く、という受け方をホームページに書いておくと、依頼する人も準備ができます。
「相当の期間」は、どのくらい待てばいいのですか?
法務省の説明資料は、「相当の期間」を枝を切除するために必要な時間的猶予を与える趣旨とし、事案によるが、基本的には2週間程度と考えられる、と書いています。個々の事案でどうかは、このページでは決めません。
切った費用は、誰が払うのですか?
民法第233条の条文には、費用を誰が負担するかは書いてありません。法務省の説明資料は、越境された土地の所有者が自ら枝を切り取る場合の費用について、基本的には、竹木の所有者に請求できると考えられる(民法703条・709条)と書いています。御社への支払いは依頼者との契約の話なので、見積もりの段階で誰から代金を受け取るかを決めておきます。
木の持ち主の土地に入って作業してもいいですか?
民法第209条は、第233条第3項による枝の切取りのために、必要な範囲で隣地を使用できるとし、あらかじめ目的・日時・場所・方法を隣地の所有者と隣地を使っている人に通知するよう定めています。住家には、居住者の承諾がなければ立ち入れません。どこまで入れるかは事案によるので、このページでは決めません。
剪定の案内が、
誰が頼めるのかまで伝わっているかを見てほしいとき。
ホームページのアドレスを1つ送っていただければ、サイトのアドレスから4項目(問い合わせへの動線・伝わり方・プロ感・検索とGoogleマップでの見つかり方)を読み、まず直すところ3つをPDFでお返しします。毎月5社まで・費用はかかりません。売り込みの電話はいたしません。依頼が民法のどの場合に当たるかの判断はいたしません。